「食事と身体」カテゴリーアーカイブ

病気って何?~病1

【病気って何?】

今回は、「健康」の反対、
「病気」について考察していきます。

一般に「健康」とは、
「病気・怪我をしていない状態」
ということが認識としてあると思いますが、

では、そもそも「病気」って何でしょうか?

ここを押さえておくかどうかは、とても重要です。

この世には、
“勝手に”「病気」だとされて
必要もないのに治療を受けさせられ、
無駄な時間と費用をかけられてしまう場合が多々あります。

「病気」の認識をしっかりと持つことで、
無駄なことをする必要がなくなるようになります。

では、まず
一般的な病気の「定義」は存在するのか?
ということから考えてみましょう。

現代日本をはじめとした先進国では、病気を分類する場合、
“西洋医学的な”考えに基づくことが多いです。

日本で病院に行けば、
普通に”西洋医学的な”分類で病名を当てはめられます。

あなたにもそのような経験はあると思います。

そして、西洋医学では病気を

「体の機能、構造、器官などの断絶、停止、障害」
(ブリタニカ国際大百科事典 より)

とみなしています。

すなわち、病気は、
「身体に何らかの異常がある状態」
です。

しかし、では、逆に
「身体が”正常”」
とはどういうことでしょうか?

どんな分野でもそうかもしれませんが、
「正常」という概念そのものは非常に不確かです。

観念的には、おそらく大多数の人が理解できるとは思いますが、
やはり個人差は大きく出てしまうと思います。

例えば、
あなたが仮に普段から頭痛に悩んでいなかったとして、
ある日、急に頭痛が起こり始めた時、

あなたにとっては、「異常」状態ですが、
普段から慢性的に頭痛持ちの人にとっては「正常」状態、と言えますよね?

このように「病気」には、個人差というものがある、
ということはまず押さえてみてください。

さて、もう少し、別のアプローチをしてみます。

病気の本性について、アメリカの医学者エンゲルハートらは

「病気という概念は病人が属す文化や社会のもっている価値や信条によって構成される」
(日本大百科全書 より)

という考え方を提唱しました。

つまり、病気とは
「文化や社会による決めごと」
とであるのです。

病気であるかないか?の区別は、
社会や時代によって異なる、というわけです。

例えば、
マラリアはかなり重大な病気、というのが一般的ですが、

リベリア(西アフリカ)やミシシッピ川上流渓谷地域では、
マラリアを病気とはみなされませんでした。

その理由は「誰もがかかっているから」だそうです。

日本でも、
最近まで「百日咳(ひゃくにちぜき)」や「おたふく風邪」などは、
幼児の発育上避けられない「通過儀礼」の一つと考えられており、
いわゆる「病気」とはみなされませんでした。

逆に、癌(ガン)・高血圧のように
保健医療制度など、社会的・経済的条件によって
病気とされるものもあります。

このように、病気は、個人的な苦痛や不快とは関わりなく、
病気がその時の社会の状況により、
「誰もがかかるものだから」
という理由から、病気とみなされていなかったこともあるようです。

以上のように一口に「病気」と言っても
様々な解釈があることがわかります。

では、次回は、もっと広い観点から「病気」について解説していきます。

生か死か?〇〇〇か死か?

【生か死か?〇〇〇か死か?】

健康というものを考えたとき、
どうしても、他の身体の部位と比べると、軽視されがちな
「歯」ですが、
「歯」は非常に大切です。

まず何より、
美味しいものを食べるためには「歯」はとても重要です。

そして、「歯」は身体全体の健康のバロメータでもあります。

今回は、「歯」と健康の関係についてお話します。

「歯」と健康の関係について話す上で、欠かせないのは
「歯周病」という病気です。

歯周病は歯の周りの骨を少しずつ溶かしていき、
最後にはグラグラになって歯が抜けてしまうものです。

厚生労働省の調査では、

・30代の8割が歯ぐきに歯周病の所見がある
・口に悩みや気になることがある人は全体の7割
・そのうちの4割強が歯周病関連の自覚症状有り

という結果が出ています。

歯周病を予防・改善するには自分でする口のケアがとても重要で、
そのために使われている道具は、

糸ようじ(フロス)

です。

あなたは使ったことがあるでしょうか?

歯と歯の隙間の汚れを落とす道具のことです。

そのフロスしないと、フロスをするのに比べてどのくらい汚いかという研究があります。

あなたは
『歯ブラシだけではダメなのか?』
と思ったかもしれません。

実は、研究で歯ブラシによるブラッシングだけでは、
歯と歯の間のプラーク(歯垢)の61%しか除けなかったのに対して、
フロスを併用すると79%除去できるということがわかっているのです。
(サンスターHPより)

特に歯と歯の間は虫歯や歯周病になりやすく、
気づきにくい場所なので、歯ブラシだけでは取れない汚れを、
フロスを使ってとるのはとても重要です。

そして、歯周病は歯の周りの骨を溶かして歯が抜けてしまうだけでは済みません。

ここでアメリカでは有名になった言葉を紹介します。

「Floss or DIE」
(フロスをするか、さもなくば死か)

これは、1997年にアメリカ歯周病学会が発表した歯周病予防のためのスローガンです。

「フロスを使って口のケアをしっかりするか?
そうしないと、歯周病にかかって、それが全身の病気に影響して、
寿命を縮めて死んでしまうぞ!」

という、強いメッセージです。

今から20年以上も前に言われたことが、
ようやく今日本でも言われているわけです。

歯周病の特徴の1つとして、腐った卵の匂いのような口臭になる
というものがあり、これもかなり嫌な症状ですが、

フロスを使わないと、歯周病を始め「全身の健康」にも悪影響を与えます。

歯周病が全身に悪さをする理由は、
「歯周病菌のかたまりや歯周病菌の死骸に含まれる毒素」
です。

菌のかたまりや毒素が血流によって全身に運ばれることで、
口の病気なのに、全身の病気になってしまうのです。

代表とも言えるのが、糖尿病。

そして、糖尿病も歯周病を重症化しやすいことがわかっています。

また、有名なメタボリックシンドロームと歯周病も
お互い重症化させやすい関係にあります。

糖尿病を持っているアメリカ人の95%が歯周病で、
その3分の1がすでに歯を失っています。

さらに、口の衛生状態が悪くて
お年寄りが肺炎になってしまうということがわかっています。

口をきれいにすると肺炎になりにくい
ということは介護の世界ではもはや常識とされています。

たかが歯の病気、と言っても、
その歯周病と全身の病気はお互いにお互いを悪くする
という関係もあるのです。

その他にも

首の動脈(頚動脈)が詰まって脳梗塞・心疾患のリスクがあったり

血流に乗って肺までやってきた歯周病菌が呼吸器系に影響を与えたり

血管に炎症が起こり、血流を止めてしまうため、
歯周病の人は健康な歯ぐきの人に比べ、7倍もEDになりやすかったり

等々、身体に様々な影響があります。

歯周病を放置すると、最も恐ろしい心筋梗塞や脳梗塞は、
ある日突然やってくるかもしれません。

口が汚くて、命を落とす可能性があるというのは本当に恐ろしいことです。

フロスを取り入れるのは最初難しいかもしれません。

しかし、歯磨きと一緒で習慣化してしまえば、どうということはありません。

フロスの使い方をマスターすることは、口と全身の健康のために簡単にできる第一歩なのです。

ぜひ、あなたの習慣にも取り入れてみてはいかがでしょうか?

あの光がヤバイ!?

【あの光がヤバイ!?】

あなたは、スマホを持っていますでしょうか?

わずか数年で先進国はおろか、
途上国までに爆発的に広がったスマホは、
僕たちの生活に大きな影響を与えています。

それは、もちろん、健康やダイエットも然り。

スマホは、人間の「食欲」というものに密接に関連しているのです。

まず、スマホの光は体内時計を狂わせる可能性があります。

人の体内時計を司るホルモンの一つに
「メラトニン」
というものがあります。

これは、夜になると分泌されて眠気を引き起こす働きがあります。

しかし、夜遅くまでスマホを眺めていると、
画面から発せられる光が目を刺激して、
脳は昼間だと誤認し「メラトニン」の分泌が抑制されてしまうのです。

すると、寝つきが悪くなったりm深い眠りをしにくくなるなど、
睡眠の質を落としてしまうのです。

そして、睡眠の質は食欲を司るホルモンの分泌にも
影響を及ぼします。

そのホルモンとは、

  • 食欲を抑えるホルモン「レプチン」
  • 食欲を増進させるホルモン「グレリン」

です。

質の悪い睡眠の場合、
食欲増進の「グレリン」の分泌が増え、

質の良い睡眠の場合、
食欲を抑える「レプチン」が「グレリン」を抑える

という研究結果があります。

これらのホルモンを適切に分泌するためには、
質の良い睡眠が必要です。

すなわち、質の良い睡眠を取ることが
食欲を適正にするだけでなく、
代謝をアップし脂肪が燃焼されやすい体質になります。

また、睡眠の質が悪いほど、肥満率が高い
という研究結果もあります。

最適な睡眠時間は個人差があるものの、
一般的には7.5時間~8時間と言われています。

ここで注意したいのが、
長く眠るほど「レプチン」が増えるわけではありません。

しかし、短い睡眠では、「グレリン」の分泌が増える可能性があります。

そのため、寝る前にスマホを使っていると、眠りの質が悪くなり、
その結果、食欲が増す、という現象が起こってしまいます。

あなたは、いかがでしょうか?

現代版”奴隷”にならないために~睡眠4

【現代版”奴隷”にならないために】

ダイエットや健康の重要なファクターだけど、
何気に見逃されがちなもの

「睡眠」

この「睡眠」非常に奥が深く、

人間の睡眠には
「高度な情報処理機構」
の役割もあります。

この寝ている間の情報処理をしっかりと行わさせるかが
人間にとって非常に重要です。

それには、質の良い「睡眠」が必要不可欠なのですが…
現代社会では、なかなか良い「睡眠」を取れていない場合が多いようです。

あなたも、下記のような環境や状況で睡眠をしていませんか?

・寝る前に悩み事があったり何かに気を取られている
・食べてすぐ眠る
・酒や睡眠薬を使う
・明るい場所
・うるさい場所
・変な姿勢
・不快な気温・湿度
・空気の悪い部屋
・入眠中に余計な情報(スマホなどの電磁波)

これらはすべて脳の情報処理を阻害し、
睡眠の質をとても下げます。

そのため、避ける必要があります。

逆に、これらを避けていて眠ることができれば、
睡眠時間はそこまで必要がありません。

ご存知の方も多いと思いますが、人間は
「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」の1セット
大体1時間半〜2時間周期を繰り返しています。

通常、レム睡眠とノンレム睡眠の1セット×複数回
の睡眠が必要です。

普通に生活しているといろいろなことがありますから
そういったことを加味しても
3セットの4.5時間〜6時間程度が必要になります。

それ以上寝る場合は、

・日中に身体を沢山使って肉体の回復が追い付かない
・日中に膨大な情報を受け付けたので処理が追いつかない

のいずれかであると考えられます。

ちなみに、
「瞑想」をすることでも
睡眠と同等以上の情報処理を行うことができるので、、
ほとんど寝なくても、大丈夫になります。

このように、しっかりと睡眠がとれていると、
「よい循環」
が起きます。

逆に、意図的に「悪い循環」を起こすことも可能です。

どうするかというと、

・お金とセックスと人間関係について考えさせる
・単純労働をさせて(受験勉強もこれに近い)、生活できるギリギリの報酬を与える
・消化にエネルギーが必要な炭水化物・糖・脂肪・添加物が入った加工食品をたくさん食べさせる
・発泡酒とかの醸造アルコールで晩酌をさせる
・寝る直前までテレビや雑誌やSNSで雑多な情報(一見役に立つもの。すぐ痩せるノウハウとか)
を与え続ける

これで、頭の働かない現代版「奴隷」の完成です。

……

……

……

あれ?

どこかで聞いたことあるような行動パターン?

……

……

……

ちょっとブラックジョークも交えてしまいましたが(笑)

このように「睡眠」というものは非常に奥が深く、
健康・ダイエットだけでなく、あなたの人生そのものを左右する可能性があります。

今回の話を振り返って、悪い「睡眠」していたなと思ったら、
見直してみてはいかがでしょうか?

意外と知らない睡眠のスゴイ効果~睡眠3

【意外と知らない睡眠のスゴイ効果】

ダイエットや健康の重要なファクターだけど、
何気に見逃されがちなもの

「睡眠」

この「睡眠」非常に奥が深く、

動物の睡眠では主に前者、
「身体の成長と修復」
が占める役割が大きい一方、

人間の睡眠では、前者も加えて後者
「高度な情報処理機構」
の役割もある、ということです。

では、今回は、「高度な情報処理機構」について考えてみましょう。

人間は、自分ではあまり意識できませんが、無意識上では
膨大な「情報」を受け取っています。

  • 目に見えるもの
  • 耳に聞こえるもの
  • 触ったもの
  • 匂い
  • 舌で味わったもの
    を始めとした、五感からくる情報だけではなく、

  • 場の雰囲気

  • 電磁波
    等々

様々なものを受け取っています。

更に、そもそも人間は、
視覚としては、380nm-750nm
聴覚としても、20Hz-15000Hz・20000Hz
という範囲しか感知することができません。

しかし、感知はできなくても、
情報としては、受け取っているわけです。

また、
僕たちは、起きているときに色々食べ物を食べていますが、
実は食べ物も消火の際に、食べ物に応じた消化酵素を作らなければならないので
食べ物も一種の「情報」と考えることができ、
膨大な量の「情報」をインプットしていることになります。

その膨大な「情報」は、脳において情報処理をする必要がありますが、
起きている最中は、動くためにも脳を使わなければなりません。

そのために、夜中の睡眠中に
日中に得た情報を処理し糧にする情報処理
を行っているのです。

では、この膨大な情報をどのように使っているかというと、
一旦取捨選択し、その後で統合してゲシュタルト(全体像)を作り上げます。

わかりやすく言うと、
「抽象化」をして、
よりシンプルで「役に立つ形」に構築し直しているわけです。

しかし、この「抽象化」をしているということは、
言語化はどんどん難しくなります。

例えばサッカーのリフティング練習をする時、

  • サッカーボールの大きさ・色・形・重さ
  • ボールの回転速度・落ちてくる角度とスピード
  • 蹴る角度・強さ・タイミング
  • その日の温度・湿度
  • 自分のコンディション
  • 地面のコンディション
  • 上半身・下半身それぞれの筋肉の使い方
    などなど

無数の要素を何度も施行をすることで、
脳は膨大な量のデータを取っています。

これらの膨大なデータを元に情報処理された
「リフティング感覚」
は本人からすると、とてもシンプルな形で捉えられています。

しかし、実際は
膨大な情報を何度も処理した結果得られたものなので、
情報量が多すぎて、
スポーツ指南書などに言葉として書くことはできません。

これを本人に説明させると、
かの長嶋茂雄監督のような
『ヒューっときたら、パーンと打つんだよ』
みたいな返事が返ってきたりします(笑

こんなの他人がわかるわけがありませんよね。

コンサルタントのように、人と話す仕事も同様です。

様々な相手がいて、様々なシチュエーション・場所があり、
こちらがどのようなアクションをしたら相手がどのようなリアクションをするのか?
等、非常に複雑な情報のやりとりがなされています。

脳は常にそれらに対して、実験を行いデータ取りをしています。

もちろん、腕の良い職人・料理人などいわゆるプロ、と呼ばれる人たちも
みんなそうなのです。

このように、起きている間に様々な「情報」を受け取り、
その情報を寝ている間にしっかりと処理することで、
どんな本でも記載することができない
抽象度の高い、言語化のむずかしい視点を手に入れることができます。

そして、一旦手に入れたそれらを
使う時には、その都度、必要な分を引き出すことで日々に役立てて
僕らは生きています。

しかし、それも「睡眠」が十分でないと、
その情報処理が疎かになり、役立たせることができません。

次回は、情報処理が疎かになってしまうパターンについて、
説明します。

睡眠の”基礎”押さえていますか?~睡眠2

【睡眠の”基礎”押さえていますか?】

ダイエットや健康の重要なファクターだけど、
何気に見逃されがちなもの

「睡眠」

この「睡眠」非常に奥が深く、

動物の睡眠では主に前者、
「身体の成長と修復」
が占める役割が大きい一方、

人間の睡眠では、前者も加えて後者
「高度な情報処理機構」
の役割もある、ということです。

では、今回は、「身体の成長と修復」について考えてみましょう。

これらを抑えれば、健康やダイエットに効果的な睡眠ができるようになります。

そもそも、なんで人間を始めとする動物は「睡眠」をとるのでしょう?

そして、必ずある程度の睡眠「時間」というものは必要です。

その回答の1つが、睡眠中に「身体の成長と修復」をしているからです。

成長期の子供が睡眠時間が長かったり、
ハードなスポーツや筋トレをした日は睡眠時間が長くなったりしませんか?

「身体の成長と修復」の際に重要なファクターになるのが、

  • 寝る時刻
  • 食事とのスパン
  • 睡眠時間

です。

寝る時刻、について。

基本的には人間は地球の自転のリズムによって生活しています。

昼間は活動し、
夜に外敵が少なくなったら寝る

という行動を何百万年という年月をかけて過ごしてきました。

そのため、
夜の真っ最中の時間帯である、22時ー2時位に
「身体の成長と修復」を促進する
成長ホルモンが最も分泌されます。

そのため、この時間帯に深く眠れていることが大切です。

食事とのスパン、について。

ここで重要なのは、
「身体の成長と修復」には、大きなエネルギーを使うということ。

これは、人間は食事の消化にとても大きなエネルギーを必要とするため、
食べた後、すぐに寝てしまって、寝ている最中に消化が割り込むと、
そちらに沢山のエネルギーを取られてしまい
「身体の成長と修復」に集中できなくなってしまいます。

そのため、
4-5時間前までに食事を済ませておくと、
眠りに入る時には消化が大体完了しているので、
理想的であると言われています。

睡眠時間、について。

成長期の子供や激しい運動をした日などは
当然、「身体の成長と修復」にある程度の時間が必要になるため、
時間を十分とる必要が出てきます。

逆を言えば、
成長期の子供や激しい運動をしたわけではないのに、
睡眠時間が長くなってしまう場合は、

消化が終わっていないまま眠ってしまい、消化に負担がかかっている時

ということになります。

これら
・寝る時刻
・食事とのスパン
・睡眠時間
を抑えて効果的な睡眠をとるようにしましょう。

…とは言え、これらの要素は割と有名なのでご存知で実践している方も
いるかもしれません。

そこで、
人間の睡眠特有の特徴、
「高度な情報処理機構」
の役割について、次回解説します。

実は奥が深い睡眠~睡眠1

【実は奥が深い睡眠】

ダイエットや健康の重要なファクターだけど、
何気に見逃されがちなもの、って何でしょう?

・・・・

「食事」ではありません。

「運動」でもありません。

答えは・・・

「睡眠」

です。

当たりましたか?

で、この「睡眠」なのですが、
非常に奥が深いのです。

今回は、見落とされがちな「睡眠」について、
お話していきますね。

まずは歴史からです。

人間が誕生して、約700万年と言われていて、
その間に、猿人→原人→旧人→新人と進化を遂げてきましたが、
人間の「脳」も劇的に変化を遂げました。

狩猟採取をしていた頃の人間は
狩猟採取をしないと餓死してしまうので、
一日中食べ物を探していることが多かったのです。

時は経ち、農耕時代に入ると、食べ物の安定供給が可能になったため、
「ゆとり」
が作り出されました。

その「ゆとり」とは、簡単に言ってしまえば、
「十分な睡眠時間」
です。

村ができ、外敵から守られた状態で安心して眠れるようになったため、
「十分な睡眠時間」
がとれるようになったわけです。

その「睡眠」によよって、
人間の脳のポテンシャルが飛躍的に引き出されました。

人間とその他の動物には
「眠りの質」において、大きな違いがあります。

ここで野生の動物を考えてみます。

野生の動物は、寝ている時でも常に警戒態勢で、
外敵が来たらすぐに逃げれるようになっています。

つまり、常に眠りが「浅い」のです。

一方、現代の人間は
「深い」睡眠に入ることができ、
文字通り「寝首をかかれる」と何も対応できないくらいです。

この「深い」睡眠が
脳の機能を爆発的に発展させた、と考えられています。

このように、
人類が長い進化の中で「深い」睡眠を獲得しました。

そしてこれにより、
睡眠には、大きく分けて二つの役割があると捉えることができます。

それは
「身体の成長と修復」

「高度な情報処理機構」
です。

動物の睡眠と人間の睡眠の大きな違いは

動物の睡眠では主に前者、
「身体の成長と修復」
が占める役割が大きい一方、

人間の睡眠では、前者も加えて後者
「高度な情報処理機構」
の役割もある、ということです。

次回は、この「身体の成長と修復」についてお話します。

“細菌”と付き合う?~細菌5

【”細菌”と付き合う?】

これまで、
僕たちの身体は
自身の細胞は全体の1割程度しかなく
残り9割はそこにくっついた「細菌」によって構成されていて

腸内に限らず、
細菌は身体中の至るところ、
適材適所に湿度や食料ごと多種多様に存在していて、
僕たちの体質や心の状態に影響を与えている

という話をしてきました。

体質や心まで変わってしまうなんて恐ろしいことですが、
それを治療に生かした例があります。

2006年、35歳のカウンセラーであるペギーという人物が
マウイ島で車を運転中に事故に遭遇し、
何度かの手術を受けました。

そして、最後の手術から3日後のこと、
ペギーはひどい嘔吐と下痢に襲われました。

原因は、健康な状態なら罹患率の低い、悪性の細菌でした。

腸内の免疫力が落ちていたことから感染したとみられ、
免疫力低下の原因は、
手術中の感染症予防の目的で使われた抗生物質が、
本来持っていたはずの腸内細菌まで殺してしまったことだ
と推測されました、

そこで彼女は、ある新しい治療法を行うことを決断します。

それが、「糞便移植」というものです。

腸内の細菌群の再構成を目的としたもので、結果は良好でした。

こうした例を並べると、身体の中の細菌やウイルスは、
有害にせよ有益にせよ、
日々人体に密接に影響を与えているくれていることがわかります。

細菌やウイルスを「汚いもの」「悪いもの」
とみなしてしまう傾向がありますが、

このように、細菌が私たちのパートナーであることが充分にわかると、
冒頭の「糞便移植」も、近い未来には嫌悪感や驚きのない、
当たり前の医療行為または体質改善行為として広まっているのかもしれません。

また、日本人は海外の人と比べると小さい微生物や細菌などの
小さいものに愛着を持ちやすいです。

日本人は昔から菌の力をうまく使ってきました。

納豆や味噌、醤油などは菌の力を使わないと作ることはできません。

そのため、僕たちに必要なことは、
殺菌剤・抗菌剤を過度に使わない適度な清潔で、
細菌たちの住環境を整えてあげることが重要になります。

あなたの身体のうち、いわゆるヒトの部分は10%しかありません。

あなたが「自分の身体」と呼んでいる容器を構成している細胞1個につき、
そこに乗っかっているヒッチハイカーのような細胞は9個あることになります。

あなたと言う存在には、血と肉と筋肉と骨、脳と皮膚だけでなく、
細菌が含まれている。

あなたの身体はあなたのものである以上に、微生物のものでもあるわけです。

「あなたの身体はあなただけのものではない」

と思うと、いつもより自分の身体を大切にできそうですね。

心を操るウイルス!?~細菌4

【心を操るウイルス!?】

僕たちの身体は
自身の細胞は全体の1割程度しかなく
残り9割はそこにくっついた「細菌」によって構成されていて

腸内に限らず、
細菌は身体中の至るところ、
適材適所に湿度や食料ごと多種多様に存在していて、
僕たちの体質や心の状態に影響を与えている

という話があります。

前回は、細菌やウイルスが肥満について及ぼす影響をお話ししてきました。

今回は、肥満以外に及ぼす影響についてお話ししていきます。

細菌やウイルスは、「心」に影響する可能性もあります。

90年代、米コネチカット州で、
ある1歳の男の子が、耳の感染症で抗生物質での治療を受けました。

30日間、下痢の副作用を無視して薬の投与が続けられましたが、
突如、男の子のふるまいが変化してしまいます。

言葉を話さなくなったり、
つま先で歩いたり、
目を合わさないようになったりしたのです。

医師は「自閉症」との診断を下します。

当時自閉症は、遺伝や教育が原因とされていました。

しかし、
母親は根気強く原因を探り、
耳の治療で使われた抗生物質に疑いの目を向けます。

その結果、男の子は、
抗生物質によって腸内細菌が減り免疫力が落ちていたところに、
破傷風菌に感染してことがわかりました。

破傷風菌が産出する神経毒素が、
脳に到達していた可能性があるのです。

他にも、

統合失調症などの心の病気で悩む患者群は、
そうでない群よりもトキソプラズマ(寄生性原生生物)感染者が多い、
といったデータもあります。

スタンレー医学研究所のE・フラー・トーリー氏は、
「トキソプラズマ・ゴンディは脳に侵入し、とても小さな嚢胞を形成します。
それが青年期後半になってから活性化し、
神経伝達物質に影響を与えることで、疾患を引き起こす可能性があります」
と述べています。

スウェーデンのカロリンスカ研究所感染症学センターに所属する研究者、
アントニオ・バラガン(Antonio Barragan)氏のチームは、
マウスの血液中のトキソプラズマを調べ、
彼らが意外な場所、すなわち
彼らを殺すはずの免疫細胞の内部に生息していることを発見しました。

つまり、トキソプラズマが
寄生した体内を移動し、さらには肝心の脳に到達するために、
免疫細胞を移動手段“トロイの木馬”にしているのではないかというのです。。

トキソプラズマはこの免疫細胞を使って体内を移動し、宿主の脳に到達し、
人間の恐怖感や不安感を鈍らせる神経伝達物質を作らせているのです、

また、チェコの進化生物学者ヤロスラフ・フレグル(Jaroslav Flegr)氏は、
トキソプラズマが脳を“コントロール”している、とも言っています。

フレグル氏は自分の「経験」からこの事実を見つけたのです。

1990年、フレグル氏はひょんなことから
自身がトキソプラズマに感染していることを知りました。

感染を知った同氏は、
自身もまた少し前から恐怖心が鈍くなったことに気づきます。

道を渡っていて、車にクラクションを鳴らされたのに飛びのかなかったのです。

トキソプラズマに感染した人は交通事故に遭う確率が2倍以上高まるが、
これはトキソプラズマが反応時間を遅くするためだ
とフレグル氏は考えています。

トキソプラズマ感染は自殺率の上昇に関連している
という別の研究チームの報告もあります。

このように、細菌やウイルスは、
僕たちの「心」にも影響する可能性があるのです。

極端なことを言ってしまえば、
細菌やウイルスによって、
食欲がコントロールされたり、行動を制限されることで、
体型すらも変わってしまう、という可能性もあるわけです。

少し怖い話ですが、
このような結果を見ると一概に否定はできませんよね。

肥満の原因は本当にウイルスなのか?~細菌3

【肥満の原因は本当にウイルスなのか?】

僕たちの身体は
自身の細胞は全体の1割程度しかなく
残り9割はそこにくっついた「細菌」によって構成されていて

腸内に限らず、
細菌は身体中の至るところ、適材適所、湿度や食料ごと多種多様に存在していて、
僕たちの体質や心の状態に影響を与えている

という話があります。

前回は、「アデノウイルス36」というウイルスが
肥満について影響を与えているかどうかについての実験について
お話ししましたが、

今回は、他の研究についてお伝えします。

別のアメリカの研究者らは
502名のボランティアを雇い、
体重やBMIの測定と「アデノウイルス36」
に感染しているかどうかの調査を行いました。

すると、

感染していなかった378名のBMIが35.8
だったのに対し、
感染していた124名の平均BMIは44.9

とウイルス感染者が肥満傾向にあることが明らかになりました。

また、片方だけ「アデノウイルス36」に感染している双子を28組探しだし、
BMIを比較すると、

感染していない人の平均BMIが24.5
だったのに対し、
感染している人の平均BMIは26.1

と、双子であってもウイルス感染により
肥満傾向になることが明らかになりました。

別の研究グループでは同様に
子供にも当てはまることを報告しています。

この研究では8才~18才の子供124名を調べたところ、
「アデノウイルス36」に感染している子供が19人見つかりましたが、
19人中15人が肥満傾向であったそうです。

この19名の平均体重は、
感染していない子供平均体重よりも15キロも重かったのです。

また、スウェーデンの研究チームの調査では、
腸内にどのような細菌を棲まわせているかで、
太りやすいかそうでないかが決まることもわかっています。

これらの結果により、
これを体内に棲まわせているヒトは、
ウイルスを持たない人に比べて肥満のリスクが高まることが分かりました。

「アデノウイルス36」はラットを用いた実験により、
感染すると脂肪前駆細胞(脂肪の元となる細胞)が増加し、
脂肪前駆細胞が脂肪に変化しやすくなることが分かりました。

また、インスリンの感受性が上がり
食物より摂取した脂質を脂肪として蓄えやすくなるようです。

さらに、このウイルスに感染することにより脳内のホルモンも影響され、
脂肪細胞に作用するだけでなく
様々な効果で肥満を引き起こす働きがあるようです。

一緒に暮らしている人が太っていると別の人も太りやすくなるという現象
はままありますが、

もしかしたら、この現象はウイルス感染が引き起こした現象
という可能性もあるかもしれません。

なお、このような肥満を引き起こすウイルスは「アデノウイルス36」
以外にもいくつか知られています。

もし「アデノウイルス36」が本当に肥満の原因ならば、
ワクチンを作ったり
抗ウイルス剤を投与することで
肥満の予防になるはずです。

研究者の見解としては、
ウイルスが肥満の原因だとはっきりすれば、ワクチンが開発できそうだ
と言っています。

ところが、すでに肥満の人には役立たないだろう、とも述べています。。。

しかし、それでも今のところは
肥満のウイルス説はまだまだ証拠不十分です。

また、日常生活も肥満に影響を与えているのは間違いありません。

将来的にワクチンの開発に期待しつつも、
日常生活を見直していくかも視野に入れていきましょう。

次回は、肥満以外にも細菌やウイルスが人の身体に及ぼす影響について
お話ししていきます。