【生か死か?〇〇〇か死か?】
健康というものを考えたとき、
どうしても、他の身体の部位と比べると、軽視されがちな
「歯」ですが、
「歯」は非常に大切です。
まず何より、
美味しいものを食べるためには「歯」はとても重要です。
そして、「歯」は身体全体の健康のバロメータでもあります。
今回は、「歯」と健康の関係についてお話します。
「歯」と健康の関係について話す上で、欠かせないのは
「歯周病」という病気です。
歯周病は歯の周りの骨を少しずつ溶かしていき、
最後にはグラグラになって歯が抜けてしまうものです。
厚生労働省の調査では、
・30代の8割が歯ぐきに歯周病の所見がある
・口に悩みや気になることがある人は全体の7割
・そのうちの4割強が歯周病関連の自覚症状有り
という結果が出ています。
歯周病を予防・改善するには自分でする口のケアがとても重要で、
そのために使われている道具は、
糸ようじ(フロス)
です。
あなたは使ったことがあるでしょうか?
歯と歯の隙間の汚れを落とす道具のことです。
そのフロスしないと、フロスをするのに比べてどのくらい汚いかという研究があります。
あなたは
『歯ブラシだけではダメなのか?』
と思ったかもしれません。
実は、研究で歯ブラシによるブラッシングだけでは、
歯と歯の間のプラーク(歯垢)の61%しか除けなかったのに対して、
フロスを併用すると79%除去できるということがわかっているのです。
(サンスターHPより)
特に歯と歯の間は虫歯や歯周病になりやすく、
気づきにくい場所なので、歯ブラシだけでは取れない汚れを、
フロスを使ってとるのはとても重要です。
そして、歯周病は歯の周りの骨を溶かして歯が抜けてしまうだけでは済みません。
ここでアメリカでは有名になった言葉を紹介します。
「Floss or DIE」
(フロスをするか、さもなくば死か)
これは、1997年にアメリカ歯周病学会が発表した歯周病予防のためのスローガンです。
「フロスを使って口のケアをしっかりするか?
そうしないと、歯周病にかかって、それが全身の病気に影響して、
寿命を縮めて死んでしまうぞ!」
という、強いメッセージです。
今から20年以上も前に言われたことが、
ようやく今日本でも言われているわけです。
歯周病の特徴の1つとして、腐った卵の匂いのような口臭になる
というものがあり、これもかなり嫌な症状ですが、
フロスを使わないと、歯周病を始め「全身の健康」にも悪影響を与えます。
歯周病が全身に悪さをする理由は、
「歯周病菌のかたまりや歯周病菌の死骸に含まれる毒素」
です。
菌のかたまりや毒素が血流によって全身に運ばれることで、
口の病気なのに、全身の病気になってしまうのです。
代表とも言えるのが、糖尿病。
そして、糖尿病も歯周病を重症化しやすいことがわかっています。
また、有名なメタボリックシンドロームと歯周病も
お互い重症化させやすい関係にあります。
糖尿病を持っているアメリカ人の95%が歯周病で、
その3分の1がすでに歯を失っています。
さらに、口の衛生状態が悪くて
お年寄りが肺炎になってしまうということがわかっています。
口をきれいにすると肺炎になりにくい
ということは介護の世界ではもはや常識とされています。
たかが歯の病気、と言っても、
その歯周病と全身の病気はお互いにお互いを悪くする
という関係もあるのです。
その他にも
首の動脈(頚動脈)が詰まって脳梗塞・心疾患のリスクがあったり
血流に乗って肺までやってきた歯周病菌が呼吸器系に影響を与えたり
血管に炎症が起こり、血流を止めてしまうため、
歯周病の人は健康な歯ぐきの人に比べ、7倍もEDになりやすかったり
等々、身体に様々な影響があります。
歯周病を放置すると、最も恐ろしい心筋梗塞や脳梗塞は、
ある日突然やってくるかもしれません。
口が汚くて、命を落とす可能性があるというのは本当に恐ろしいことです。
フロスを取り入れるのは最初難しいかもしれません。
しかし、歯磨きと一緒で習慣化してしまえば、どうということはありません。
フロスの使い方をマスターすることは、口と全身の健康のために簡単にできる第一歩なのです。
ぜひ、あなたの習慣にも取り入れてみてはいかがでしょうか?