【行動できないのはあなたのせいじゃない】
コンサルをしていると、クライアントの方から
『太るとわかっていても、つい食べてしまうんですよね~』
『知ってはいるんだけど・・・』
『頭ではわかってるんだけど・・・』
という言葉をよく聞きます。
また、いくつかアドバイスをしても
それを実際に実践する、という人は実はすごく少ないです。
あなたも実際、そんな経験はありませんか?
一体、なぜ、こんなことが起こるのでしょうか?
実際のところ、こういう場合は、
アドバイスを「受け取れていない」ために起こります。
対面であっても、
人は相手から受け取る、
ということがなかなかできなかったりします。
これは、特にその人が嫌いだ、ということではなく、
人の「脳の機能」がそうさせているのです。
カウンセリングなどにおいても、
カウンセラーの人がただ聴いているだけで
話した人が自分の中から答えを見つけて、
自分で解決に至ったりしますよね?
これは人に話すときに、
自分の記憶を順序立てたりして整理する必要がありますが、
その過程において、既に解決法を導き出しているからなのです。
問題解決のためのメソッドとして、
その問題の内容を書き出したり、
マインドマップを作ったりするものがありますが、
同じ原理です。
で、この脳の機能に対し、外から他の情報、すなわち
他の人の意見が入ってきたらどうなるか?
脳は、相手から発せられた言葉を自分が受け取った瞬間に、
その言葉は、自分の記憶の中のイメージと結びつけられます。
そこから、相手の意図に関係なく、
自分の中で勝手に「解釈」を作り始めます。
と同時に、恒常性(ホメオスタシス)の機能も働きます。
恒常性(ホメオスタシス)とは、
『変わりたくない』
という人間の本能です。
そしてほとんどの場合、
『これは既に知ってることだ』
という「解釈」に至ります。
何かを経験したり、人の話を聞いても、
『これは既に知ってることだ』
と「フィルター」を作ってしまい、、
言葉が心に届かなくなってしまうのです。
そのとき、あなたの心の奥の望みは、
『自分はそれを理解したくない』
というものになっているのです。
これは「表面的な理解」にとも言えます。
『自分はそれを理解した』
と思って、行動が変わらないというのが一番危険なのです。
では、どうしたら人のアドバイスを聞くようになるのか?
1つは、
自分の「行動」がどうなっているか?
ということを観察することです。
行動を伴わない「理解」は、
自分の都合のいいように解釈してフィルターをかけてしまうので、
本当の「理解」とは言えません。
一方、行動を伴なった「理解」こそが
本当の「理解」になるのです。
なぜなら、
「行動」を起こしていないと、
「習慣」化もしないし、
「現実」も変わらないからです。
そして、もう1つは、
『自分は理解できていない』
ということを認めることです。
自分の身の回りに起こっている「現実」を
“ありのまま”に観ることです。
望む「現実」になっていないのなら、
『自分は何もわかっていないんだ』
と素直に認めましょう。
普段、無意識に繰り返している行動、習慣、
そして「現実」が変わったとき、はじめて
『自分はそれを理解した』
という言葉を使えるのです。