肥満の原因となるのは??~細菌2

【肥満の原因となるのは??】

実は、僕たちの身体は
自身の細胞は全体の1割程度しかなく
残り9割はそこにくっついた「細菌」によって構成されていて

腸内に限らず、
細菌は身体中の至るところ、適材適所、湿度や食料ごと多種多様に存在していて、
僕たちの体質や心の状態に影響を与えている

という話があります。

では、今回は、具体的に細菌が
どのように僕たちの身体や心に影響を及ぼすか?
について、見ていきましょう。

まずは、身体の肥満について。

体重が増えて肥満になってしまう原因には様々なものが考えられます。

最も一般的な原因は、食べ過ぎなどの行動的な原因によるものですが、

それ以外にも遺伝的に太りやすい家系である
内分泌系の病気が原因となり太ってしまう

ということがことが知られています。

これに加え、肥満を引き起こす細菌(正確にはウイルス)の存在
が報告されています。

ある時、インド人医師によって、
大量の脂肪がついたニワトリが集団で死んでいるのが発見されました。

ウイルス性の感染症でした。

このウイルスとは、
風邪や結膜炎の原因となるウイルスの仲間
「アデノウイルス36」というものです。

このウイルスについての調査で、
「アデノウイルス36」をサルに投与してみたところ、
なんと体重が4倍近くになってしまったのです。

そして、現在では、肥満の感染について、
アメリカではそのウィルスの研究が進んでおり、
ルイジアナ州立大学やウィスコンシン大学で研究が盛んです。

米ルイジアナ州立大学のBaton Rougeのグループは
「肥満の一部はウイルス感染によって起きるらしい」
と発表しました。

アデノウイルス36またはSMAM-1
というウイルスを感染させると
動物が肥満になる、と言うのです。

また、人の脂肪組織から幹細胞を取り出し、
このウイルスを感染させると、増殖し脂肪を蓄積しました。

他のウイルスではそのようなことは見られなかったのです。

また、米ウィスコンシン大学の研究チームは2000年、

このウイルスに感染させたニワトリやハツカネズミが
感染させなかったものより脂肪を2倍多く蓄積した

という論文を発表しました。

方法としては、
美容のために行われる脂肪吸引で得られた人間の脂肪組織から、
様々な細胞に変化する能力を持つ幹細胞を抽出して、
このウイルスを加えたのです。

結果、アデノウイルス36を加えられた幹細胞の半分以上が
脂肪細胞に変わりましたが、
加えられなかった幹細胞で同様の変化を示したのはわずかだったのです。

ここまでいかがだったでしょうか?

次回はこの「アデノウイルス36」が
肥満の原因になるかについて検証した他の研究についてお伝えします。

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